◆Tomoko MIZUNO (MA in Museum Studies/ Presessional CD 20weeks)
学生時代に抱いていた「美術館で働きたい」という夢が忘れられず、勤めていた商社を辞め、留学の準備を始めたのは今から2年半前のことです。アメリカへの留学も考えましたが、英国では1年で修士が取れること、そのため生活費が浮くことが決め手になりました。その後、TOEFL対策の傍ら、幾つかの奨学金に出願しました。最終的に、レスター大学からの奨学金(学費の一部カット)を獲得することが出来ました。
レスターの博物館学課程の最大の魅力は、色々な国籍のクラスメートと一緒に学べることです。授業では度々グループごとにディスカッションをし、その後発表をすることがありました。また、2週間のグループ・プロジェクトでは8名一組で一つの展覧会企画を立ち上げました。その際、数時間のディスカッションを毎日繰り返すという、非常に密度の濃い体験させていただきました。
実を言えば、日本でも博物館学を学べる大学院はあります。けれども、様々なバックグラウンドを持った人々と話し合いを通じて問題を解決していくことのできる能力は、レスターでしか学び得なかったことだと思います。今後はここで培った経験を生かし、仕事をするなかでも常に人との対話を大事にしていきたいと思います。
生活に関して言えば、レスターに来る前は寮生活に不安を抱いていました。学生時代に一人暮らしをしていたので、キッチンやトイレをシェアすることが初めての体験だったからです。ところが、こちらに来て数ヶ月で考え方が一変しました。夕食のときなどキッチンで独りでいるよりは、他の誰かと話しながら料理をしている方が楽しく感じられるようになりました。私の住んでいたNixon Courtでは、修士課程と学部の生徒を分けるようにしているので、落ち着いて勉強することができます。国籍は多様で、私の場合はイギリス人、インド系イギリス人、中国人、ナイジェリア人と一緒に住みました。よくカレーや中華料理やお寿司などを作ってパーティーをしました。寮での生活は、修士課程以上にかけがえのない経験になりました。
レスターは大都市ではありませんが、必要な施設がすべて揃っている町です。ODEONという大手の映画館の他にいわゆる単館系の映画館もあり、コンサートホール、劇場、サッカーやラグビー競技場までがあります。また、イングランドの真ん中に位置しているため、ロンドン、バーミンガム、ノッティンガムなどの都市に出かけるときはとても便利です。レスターの特色は、インドやアラブ系の住民が多いことです。City Centreからバスで5分ほどのところにあるBelgrave Roadでは南アジアのスパイス、果物などを買うことができますし、おいしいカレーレストランで食事を楽しむこともできます。レスターに滞在中に一度は出掛けてほしいところです。