Sutudent Speak

←Student Speak TOP

◆Kentaro FUKUI (Study Abroad: Exchange)

私は、交換留学という形で、10週間の語学学校を含めた1年間(2013-14年)、レスター大学で学んだ。語学学校(ELTU Pre-sessional)は、1クラス、10数人の少人数クラスで、語学学校なので当たり前ではあるが、英語に特化した授業が開講されている。授業はリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4セクションに分けられており、英語を学ぶことはもちろんのこと、日々英語漬けの毎日であったので、英語で学ぶ上で不可欠となる、英語に慣れるという点で、このコースは大きな意義があったといえる。また、この4技能のカリキュラムとは別に、週2回ほど、各々の専攻に基づいた(自分の場合はPolitics)授業が開講されていた。この授業は、自分の専攻に沿ったテーマが与えられ、それについてのエッセイを書くことを最終目的として組まれていた。参考資料の引用、検索の仕方から、エッセイで使われるフレーズや動詞の使い分け、各テーマで問われていることを読み解く力、エッセイを書く上での論の組み立て方など、エッセイを書く上でのプロセスを、細かく丁寧に教わることができ、イギリスで勉強することの基礎をセメスターが始まる前に体験することができた。割合的にほぼ中東系やアジア系の人達が占めるものの、日本人はごくわずかで、かつ少人数クラスなので、英語を話す、もしくは話さなくてはいけない環境は十分にあった。

一方、セメスターでは、少し制限はあるものの、自分の学年、専攻に問わず、モジュールを選択することができるという交換留学生の環境を生かし、自分の専攻科目であるPolitics and International Relations以外にも、TESOL(Teaching English as a foreign language)や、ELTUが開講しているモジュールからも何個か選択した。

各授業は通常、週3時間行われ、その内2時間はレクチャー、残りの1時間はセミナーが行われる。セミナーでは、10人程の少人数グループで、レクチャーで扱われたテーマに基づいて、ディスカッションが行われる。ディスカッションでは、個人的に指名され発言を求められることもあるが、基本的には自分で発言するという積極性が求められる。そもそも、これは日本と一緒の部分ではあるが、大学での学習は自主学習が基本となる。授業が開講されると同時に、セメスターの最後に提出するエッセイのテーマや、各セミナーのテーマ、全レクチャーに関連した参考文献のリスト等が全て載った資料が配布される。つまり、セメスター中に学生がやれることの可能性を全て事前に開示することで、あとは基本的に学生の意欲や学習計画に委ねられるというシステムになっている。英語のレクチャーを聞き取り、更には自分で英語の文献を読み解き、内容を理解し、それについて、セミナーで自分の意見を述べ、他者の意見と比較し、その中から、最終的にテーマを選び、考えをエッセイでまとめる。これは想像を遥かに超える程、大変であった。

ELTUの授業では、セミナーはなくレクチャー形式ではあるものの、プレゼンテーションを始めとした生徒主体のタスクが多く、授業中も、ディスカッションのように、常に生徒の発言が求められる。TESOLは、指導案を英語で作成したり、模擬授業を行ったりと、英語の教員免許を取得する上で非常に良い経験となった。

また、自分は、セメスター1から週に2回、日本語クラスにボランティアとして参加しており、そこが、自分にとって現地学生との1番の交流の場となった。レベルは3クラスに分かれていて、自分は、初級クラスと、中級クラスの2クラスに参加させて頂いた。日本語を学びたい、日本について知りたいという現地学生との交流は、英語を学びたい、イギリスについて知りたいという自分にとって最高の環境であり、彼らの語学や文化学習に対する熱心な姿勢は、自分の学習意欲の向上に、直接繋がる部分があった。セメスター2では、先生から、実際に自分で授業を行う機会を与えて頂き、プリントの作成、授業構成等、全て自分が責任を持ち、毎週の漢字の授業を受け持たせて頂いた。内容は、日本語についてではあるが、もちろん全て英語での授業なので、英語力の向上だけではなく、教員免許の取得に向けた練習に直結する、貴重な経験となった。

イギリスだけではなく、アジア、中東、更にはErasmus制度等を通してヨーロッパ各地から集まった学生と交流ができるレスター大学で学ぶことは、自分の考えを客観的に捉え、物事を多面的に考えるという、学習の根幹的な力を伸ばす絶好の機会となったと言える。何より、この留学生活を通して得た経験と、国を超えた多くの素晴らしい仲間との出会いは、自分にとって一生の宝物となった。「行って良かった!」と今、心から思っている。本当に最高の留学生活だった。ぜひ多くの人にレスター大学で学んでほしいと思う。