◆Haruna KASSAI (MA International Education/ Presessional E 6weeks)
私は2018-2019年にレスター大学教育学部のMA International Education (教育学修士、MAIE)にて学びました。私は日本の大学で生物学の修士号を取得後、高校で理科の教員として勤務する中で、教育研究の手法や教育学の理論をきちんと学びたいと思い、MAIEへの入学を決心しました。
MAIEでは、教育学の理論的知識、世界の教育関連の課題やトレンド、教育学研究の手法などを学びました。特に教育学研究の手法に関しては、“Research Methods”という講義が10月~2月にかけて行われ、先行文献の探し方、研究テーマ設定、研究デザイン、データ収集と分析の手法、研究倫理的な配慮など時間をかけて細かく学びました。“Research Methods”では講義に並行して、3~6人のグループで実際に研究を行いその成果をポスター発表するいう実践的な課題も課されました。被験者を募り、同意を得てインタビューを行い、それを書き起こして分析する…といった研究手法について実践的に学ぶことができました。私は以前の専門が自然科学分野であったので、作法が全く異なる社会学の研究について、実際に経験しながら学べたのはとても有意義でした。
MAIEは例年20名前後の学生が在籍し(2018-2019は22名)、ほぼ毎回の授業で話し合いやグループワークが行われます。他学部の学生に話を聞くと、講義によっては50人以上のところもあるようなので、それらと比べて小規模なMAIEは、全員と話して友達になれるアットホームな雰囲気でした。1月以降は興味関心に応じて3つのコースに分かれて講義が行われるため、さらに少人数になります。私はPedagogy(教育手法)コースに所属し、地元の小学校の見学実習では授業観察の手法を学ぶとともに、日本の学校とは全く異なるイギリスの初等教育の雰囲気を肌で感じることができました。MAIEは少人数教育で、またそもそも「教育」学部ですので、教授陣は教育熱心でフレンドリーで、メールでの質問等にもいつも親切に対応してくださいました。
ちなみに私は夫と共に留学したため(夫はSchool of Arts のApplied Linguistics and TESOLコース)、大学の寮ではなく民間賃貸物件に住みました。渡英直後はAir B and Bの物件(民泊)にとりあえず3週間ほど住み、その間に賃貸物件検索サイトで見つけた物件にどんどん問い合わせメールを送り、いくつかを実際に内見し、最終的に大学から徒歩10分ほどの物件に決めました。イギリスの物件はバスルームやキッチンを共用するタイプも多いのですが、私たちは“private bathroom, private kitchen”を希望していたので、その条件が物件検索をぐっと難しくしていたようです。渡英前からもっと早く物件を検索していればよかったかも…とも思いましたが、結局内見してみると廊下が暗かったり窓の外が汚かったりなど色々なことに気が付けるので、渡英直後は民泊を頼ることを覚悟してでも、渡英後に実際に物件を見て決定することはよいことだと思います。
レスターはとても暮らしやすい町でした。インド系、中東系、中国系、アフリカ系…と本当に様々な人がいて、街を歩いていても自分が「外国人」であるという印象を受けません。市場、スーパー、ショッピングセンター、チェーンのファストフード店、おいしいパブやレストランがそろっていますが、観光客が多くないので混雑しすぎず、とても居心地が良いです。イングランドの中でもちょうどよい位置にあるため、電車で1時間のロンドンをはじめ、他の主要都市にアクセスしやすく、週末などを利用して観光できます。またラグビー、サッカー、バスケのプロチームの本拠地がいずれも徒歩圏内にあり、これも週末にスタジアムで何度も観戦しました。地元の人にとって毎週末に家族でユニフォームを着てスタジアムに応援しに行くのが定番のようで、ビール片手に一緒に応援していると、自分もレスター市民のひとりになりきれた気がしてとても楽しかったです。
出願にあたっては、レスター大学日本事務局の福元さんに大変お世話になりました。当初、私は夫の留学に帯同する形での大学学部聴講のみを考えていましたが、メールでご相談した福元さんに今後のキャリアのことなども踏まえた広い視点で大学院入学を勧めていただき、渡英する年の4月から大学院出願への準備を始めました。そのような状態にも関わらず、出願書類や奨学金申請書類の作成に際しては迅速にきめ細やかなアドバイスをいただき、お蔭様で無事に入学することができました。つい数年前まで、まさか自分も海外で修士号を取得するなどとは全く想像もしていなかったため、レスターでの生活を終えた今でも少し不思議な気持ちです。社会人経験を経て改めて学生に戻ってみると、自分の勉強だけに時間を費やせることがいかに幸せなことであるかを実感しました。留学の実現を支えてくださった福元さん、そして快く送り出してくださった家族や旧職場の方々など、多くの人に感謝を伝えたいと思います。